2000年04月21日号

No.5


1990年代に入って、ルミンによるマクロファージの活性化を利用した、生体のもつ抗ガン作用の増強研究が行われた。これは胆ガンのマウスにルミンを投与する研究だが、その結果、リンパ球のガン腫部への集合とコラーゲンの増殖により、ガン組織が著しく瘢痕(かさぶた)化されるという、驚くべき成績が得られ、日本癌学会で紹介されている。


   実は、ルミンの研究は約60年前から始まっている。満洲医科大学の波多野輔久が感光色素に注目して生理活性の研究を始め、「シアニン系感光色素の強心、利尿、呼吸促進作用の発見」という報告に結実した。これが発端となって多くの臨床医によって試験がはじまり、あらゆる傷や疾病への臨床的有効性が報告され、陸軍の機密薬として実用化されたのがルミンである。終戦後、京大に「感光色素研究会」(鈴木懐会長=当時)が発足、再び基礎研究が始まって、1950年には感光色素から作り出された内服剤「錠剤ルミンA」と注射剤「プラトニン注射用粉末」がはじめて世の中に出ることになる。


   しかし、戦後の抗生物質“信仰”の陰にかくれ、本格的薬理解明が急速に進められるのは、1970年代に厚生省が再評価作業に乗り出してから。その後現在もなお、驚異的な効用が解明され続けている。


チーズケーキ

トラックバックURL:

« No.4 | TOP | No.6 »