2005年06月17日号

足元の花たちに


タンポポの綿ぼうしの淡い白が野の一面をおおっている。忘れな草の小さな青色がほつほつと混じる。クローバーの濃い緑の絨毯はひんやりと気持ちいい。野にぺったり座り込んで、スミレの花とおしゃべりしたり、四つ葉のクローバーを探したり…。そんなゆるやかな時の流れが心地よい季節。


   道端や野原の、名前も知らない小さな小さな花々。顔を近づけて良くみると、繊細で美しい花がひそかに息づいている。奥ゆかしい、思慮深い美の世界。虫めがねがあれば、さらに小さな美しさに出会える。この季節は、小さな世界もまさに百花繚乱。


   紫のスミレ、青空色の忘れな草、ドクダミの白、清廉な青のツユクサ、ナズナの可憐な白、さまざまな種類がある蓼(タデ)の花の、桜にも形容されるうっとりするような端麗な容姿、イヌノフグリ、フウロやコナスビ、ゲンノショウコ……木に咲く花も含めて、間近に見れば、あるいは虫めがねの中に、それぞれが本当に華やかに咲き誇っている。


   薄紫の花に心を寄せる、アザミファンが全国には意外に多いという。葉が棘(とげ)状になっていたり、地味に見える花の風情から見過ごされているが、“心をこめて”間近に見れば、可憐で美しい。「山には山の憂いあり 海には海の悲しみが まして心の花園に 咲きしあざみの花ならば/高嶺の百合のそれよりも 秘めたる夢をひとすじに 紅もゆるその姿 あざみに深きわが思い…」(横井弘作詞、八洲秀章作曲)という「あざみの歌」。この花に心惹(ひ)かれる人々は、歌と同じ心情なのかも知れない。


   小さな花に話しかける人々も、アザミに心を託す人も、同じやさしい目で人と世界を見ているのだろう。ほら、あなたの足元の花、ゆっくり見てみませんか?


ケンウッド コンポ

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