2005年07月29日号

個人情報保護法で


夏まつりの取材をしていて困ったことに突き当たった。地域の催しの取材は町内会を通す場合が多く、役所などで各町内会長さんの連絡先を聞いてイベントの細かい内容を取材し記事にしていく。ところが今年は例年と違った。町内会長さんの名前も住所も、電話番号も教えてくれないのだ。個人情報保護法のためだと言う。


   「個人情報」というのは、生きている個人の氏名、生年月日、性別、住所、電話番号など特定の個人を識別できる情報のこと。法律では、5000件を超える個人情報を集積し、事業に利用している業者を個人情報取扱事業者といい、個人情報を保護するさまざまな義務を負うことになるのだそうだ。


   全国287の金融機関が、合計678万件の顧客情報を紛失していたことが明らかになったと、先ごろ金融庁が発表した。カード会社の個人情報が大量に流れ、大きな被害が出たばかり。抜けめの無い保険会社は個人情報を漏洩した時の損害賠償費用を保証する企業向け損保をスタートした。世知辛い世の中になる一方だ。


   とはいえ、町内会長さんが誰かわからない、簡単に連絡もできないという状況にも困った。ケースは違ってもこういう例が増えている。病院で患者の名前を読んだら法律に触れるのではないかと、おおまじめに心配した話を聞いた。どこまでのレベルで保護すべきなのか、まだ混乱しているんだろうと思うのだが、やりすぎると世の中人と人とのつながりが分断されてますますせせこましく、孤独なものになるのではないかと心配になる。少なくとも、連絡の取れなかった町内会が増えた分、本紙のお祭り記事は、例年に比べて催し案内などの内容を十分お伝えできなかった。残念なことだと思う。


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