2005年08月12日号

シャンコシャンコと…


♪シャンコ、シャンコシャンコ、シャシャンがシャン……夕暮れの街に響きわたる「子供盆おどり唄」のお囃子(はやし)は、北海道の代表的な夏の風物詩だ。♪そよろそよ風…と始まるこのメロディーは、本当に風に乗るように家々の間や野を流れ、宵のひとときの楽しみに子供も大人も誘う。


   作詞者は江別市の故・坪松一郎氏(昭和44年没)。坪松さんは、茨城県出身で野幌に移住。北海中学卒。教職の一方で童謡詩人としても活躍した。当別蕨岱(わらびだい)小学校の校長も務め、江別第三中学校をはじめ市内外の校歌の作詞も多い。「子供盆おどり唄」は坪松さんの詞に、作曲家・山本雅之氏が曲を付け、舞踊家・睦哲也氏が振り付けをして、昭和28年にキングレコードから世に送り出されたという。


   ところが、本来は馬の鈴の音をイメージしたといわれる「シャンコ、シャンコシャンコ」が、この何年かは「チャンコ、チャンコチャンコ」にすり替わっていたのだ。「チャンコ」は地方によっては卑猥な言葉でもある。このことを問題視したのが野村武雄氏(北海道教育史編集副委員長)という人で、発売元のレコード会社に掛け合い、原詩の「シャンコシャンコ」に戻させたという。北海道文化の恩人ともいえる。この辺の事情は江別文学(望月芳明編集人)に掲載された特集『「子供盆おどり唄」五十年のあゆみ』に詳しいが、レコード会社は勝手に歌詞を変えて4~8番を追加し平成7年に改訂発売、野村さんや遺族の抗議で出荷を停止する平成14年まで7年間、チャンコチャンコ版が流され続けた。


   「シャンコシャンコ」という昔からの清らかで愛らしい鈴の音が、風に乗って再び流れ出した。その裏に、こうした貴重な活動もあった。


microSDHC 4GB

トラックバックURL:

« 「蓬莱山」は今 | TOP | 平松愛理さん »

[PR]SEO対策済みテンプレート