2005年12月02日号

体内時計、時差ボケ?


動物性理学専門の理学博士、本川達雄さんが書いた「ゾウの時間ネズミの時間」(中公新書)という本には、こんなことが載っている。「息を1回スーッと吸ってハーッと吐く間に、心臓は4回ドキンドキンと打つ」。これは哺乳類では大きさに関係なく、みんなそうなのだという。計算すると、すべての哺乳類は「一生の間に心臓は20億回打つ計算になる」。さらに、スーハーと呼吸をする回数は「一生の間に5億回」。それで寿命が尽きる。


   本川博士は言う。人間の物理的な時間で測れば、ネズミは数年しか生きないが、ゾウは100年近い寿命を持つ。しかし、もし心臓の拍動を時計にしたら、ゾウもネズミも同じ長さだけ生きて死ぬことになるだろう。小さい動物は体内のすべての現象が早いから、物理的な寿命が短くとも、一生を生き切った感覚はゾウもネズミの同じなのではないか・・・


   テレビで、月の満ち欠けと生き物の生理や行動とは密接な関係があるという特集があった。例えば引力の影響で満月や新月の前後は、出産が多いという。人間の精神も興奮気味になり、交通事故なども増えるのだとか。確かにその頃になると車の運転の荒々しいのが目につくように思う。気のせいだろうけど・・・狼男狼女がいっぱいなのだ。人間の体内時計は月の出の周期と同じ24時間50分なのだという。50分の差は毎日、朝の光でリセットされる。ところが、夜が明るく夜更かしが多く、その体内時計が狂って時差ボケを起こしている人が増えている。睡眠障害が代表的な症状だ。


   ゾウもネズミも人間もまた、厳然とした自然の摂理の下に生きている。それを忘れると、どうしようもなく心も体も荒れてくるような気がする。ちょっと危険な現代だ。

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