2006年02月10日号

ブログからの拾い物


最近、インターネットでブログが流行している。ブログとは、ウェブログの略、ニュースなどで見つけた興味ある記事に自分の考えやコメントを書き加えて公表する日記風の記録。政治やスポーツなど多彩な分野のものがあり、ジャンル別に閲覧件数からランク付けされている。コラムを連載していると、どうしてもネタ切れになることがあるのだが、そうしたときはブログを閲覧して面白い記事を探してネタにする。今回のネタもその一つ。


   TBSラジオに『永六輔その新世界』という番組があり、「給食費を払っているから、子供に『いただきます』と言わせないでと学校に申し入れた母親がいた」との東京の男性の手紙が紹介された。リスナーから多くの手紙が寄せられ、その多くは否定的なものだったが、中には「食堂で『いただきます』と言ったら、隣席のおばさんに「お金を払ってるんだから、感謝するのはお店だ」と言われた」とか「『いただきます』のときに手を合わせるのは仏教の儀式、信教の自由を侵害している」との意見もあったそうだ。


   語源の大辞典『大言海』(大槻文彦著)を引くと、「いただく」の項目には「語原、難解ナリ、先輩ノ二三ノ説アレド、採ルベクモアラズ」とあって著者も苦労したことが窺われる。これによる「両手で物品を頭上に挙げて『もらう』の謙譲語」というのは俗説で、「大切にする、飲む、食べるの敬語」というのが正しいらしい。


   「お金を払っているから、いただきますと言わせないで」と言った母親は「いただきます」を言うかどうかの判断を、社会ルールを売買という観点からのみで見ていると思われ、こうした親に育てられた子供たち…絶句。最近、話題になっているIT企業や投資ファンドと同じで、売買ビジネスには「ありがとう」という感謝の言葉は不要。これに準ずる言葉である「いただきます」「ごちそうさま」も社会には不要??

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