2006年02月24日号

春のにおい


うす曇の空に、風がやわらかい。ほのかに春のにおい。雪がとけるにおいだろうか、ふくらみ出した木の芽が発する香りだろうか、それとも、草花の芽が伸び出して盛り上がる土のにおいだろうか、ほんの一瞬の季節の変わり目の感触が、かすかだが鼻をくすぐって、思わず胸いっぱいに春の朝の空気を吸い込んだ。

   気象台発表の2月13日の最高気温は札幌が2・3度で、江別が2度。14日は札幌3・2度、江別2・9度。15日は札幌3・3度、江別3・2度。初めてプラスに転じて、真冬日から抜け出した。訪ねた仕事先で、「春のにおいがしたんですよ」という話題を切り出したら、「私もですよ」という返事が返ってきて、何のにおいかわからないからいちいち人に聞いたことはないが、春のにおいは人それぞれにみんな感じているのだろうという話になった。「不思議だよね。あれは何のにおいだろう」と、中年男2人が首をかしげる。子供の頃、このにおいがした日には、何となく心が軽くなった、という気持ちも共通していて、妙にうれしかった。


   一年の季節を24に分けた二十四節気のひとつに「雨水(うすい)」というのがある。雪氷がとけ出し、降る雪が雨になる頃のこと。今年は2月19日だったから、ひと足速い春の訪れなのかもしれない。寒明けでもある2月4日立春、19日の雨水、冬ごもりしていた虫が春を感じて地中から出てくるという啓蟄(けいちつ=3月6日)、そして、昼夜同じ長さになり、いよいよ春の日差しとなる3月21日彼岸中日の春分…


   3日間寒い日が続いても、今度は4日間暖かい日が続くという三寒四温を繰り返しつつ、春の足音はしっかりと近づいてくる。ネコヤナギの芽もふくらんでくる。春の匂いの一つかもしれない。

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