2006年03月24日号

社会の有り様


昨年の衆院選で、自民党大勝により、ほとんど当選の可能性のなかった南関東比例ブロックであれよあれよという間に繰り上がり当選、超有名人になった旭川出身、札幌藻岩高校卒という道産子の衆議院議員・杉村太蔵氏が、婚約を小泉首相に報告して報告して祝福された…までは良かったが、厚生労働委員会を抜け出しての首相訪問だったのが顰蹙(ひんしゅく)を買って、大騒ぎになってしまった。


   で、その時の会見の「首相は僕の上司。上司に報告するのは一般企業でも自民党でも変わらないと思う」(日刊スポーツ3月15日付)にはあきれてしまった。国会議員は国民により選ばれその立場は、国民を代表し、議員同士先輩後輩、師弟関係さまざまにはあっても、間違っても上下関係ではない。上司部下関係であれば、言う事は聞かなければならないし、議会で質疑し、行政・政治を正すことも出来なくなる。顔を向けるべきは小泉首相ではなく国民の方のはずで、議員として最も大切な理念、基本的な責任をまったく考えていないのに唖然(あぜん)としてしまった。実はこういう感覚が腐敗の源になるのに…


   7年前、山口県光市で当時18歳の元少年が23歳の主婦に乱暴しようとして抵抗されたため首を締め殺し暴行、そばで泣く11ヵ月の赤ちゃんをも床にたたきつけた上で絞め殺した事件。被告は無期懲役の判決を受けていたが、殺された母子の夫である本村洋さん(29歳)は、あくまで死刑を求めて裁判のやり直しを訴え続け、ようやく最高裁で弁論を行うことが決まり、判決見直しの可能性が高まっていた。その弁論当日になって被告の弁護人が欠席。引き伸ばし工作との憶測も流れた。散歩人にも、もし妻子が殺されでもしたら、一生をかけても殺人罪に問われても仇を取らずにはいられないだろうと、子供が生まれた頃そう夢想した経験があるだけに、本村さんの気持ちには身にしみた。少年法では無期とはいえ最短7年で出獄できるのだ。


   弁護人の欠席は裁判で紛争を決着するという法の番人本来の責務を放棄しているようにしか見えない。無知であれ意識的であれ、国の重要な任務をになう人々が、最も大切な根本理念をないがしろにする。安全よりも利益を追った建築士も同じく、この社会の有り様が恐ろしい。


カニ

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