2006年03月31日号

訪問販売


春分の日、夜9時を回った頃、ピンポンとインターホンが鳴って、モニターに写ったのは男性が90度の角度で深々とお辞儀をする姿だった。人柄の良さそうな口調で男は早口でまくし立てる。私はおかしな販売会社の者ではなく建材メーカーの人間だが当社の壁材は上等で30年は長持ちするのでリフォームしないか……という内容らしい。家人が「予定はございません」ときっぱりインターホンを切った。


   地元の工務店でこの話をしたら、「うちのお客さんがそれにやられてね。280万円で上等のアルミサイディングの工事をしたけどどんなもんだろうか…と言うから、磁石を付けてごらん、と言ったら、ぴったりくっつくというんだよ。鉄板の安物だ。うちだったら100万もしない工事さ。だまされたんだねぇ」。法外な工事費を取られて、しかも建材には粗悪品を使う詐欺でもある。やはり地元で古くから商売をしているリフォーム会社も「営業のほかの社員の歩合なんかも入るから、うちの会社などの3倍も4倍も取られている場合が多いですよ」。


   好人物を装うあの話法と90度のお辞儀は、多分マニュアルを徹底して身に付けた騙(だま)しのテクニックなのだろう。ピシッと断られる家庭は最初から捨てている。「たいへんだねぇ」…と同情してくれたらしめたものだ。


   契約させられてしまった時には、すぐ消費者センターに相談すること。契約後8日以内は、工事が終了していても契約解除(クーリング・オフ)できるという。先の地元リフォーム会社では「《うちの主人もリフォームの仕事をしているので結構です》と言えば、すぐに退散しますよ。面倒だったら、そういえば簡単です」とアドバイスしてくれた。ご用心。ご用心。

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