2006年03月03日号

開け!ごま!!


アラビアンナイトの「アリ・ババと40人の盗賊」で、貧しいアリ・ババが、盗賊の財宝が隠されている洞窟の扉を開くために叫んだ呪文が「開け!ゴマ!!」。アラビヤ語で「イフタハー・シムシム」と言うのだという。イフタフ(開け)・ヤー(やあ=掛け声)・シムシム(ごま)……という呪文だ。英語訳では「オープン・セサミ」で、セサミはごまのこと。中国語訳は「芝麻・開門」(チーマーカイメン)。芝麻はやはり胡麻(ごま)のことなのである。

   ごまの原産地は、アフリカ熱帯のサバンナ地帯とか、メソポタミアとかいわれるが、いずれにせよ西アジアからエジプトの辺から世界に広がった。約5000年以上の太古の昔から栽培され、日本では縄文遺跡からも発見されている。で、そのごまは、熟したサヤがボンと裂けて外にバラバラッと飛び出す。「開け!ごま!!」という感じでボンとはじける、のだそうだ。物語中には「魔法の霊験に通じる神秘なごま」ともあり、ごまの力が神聖視された様子がうかがわれる。


   “魔法のごま”は、アメリカで制作された「セサミストリート」という幼児向けの教育番組が誕生するきっかけにもなった。ごまの栽培で成功したアンダーソンというテキサスの兄弟が、開拓した町に学校を建てて人種の差別なく教育したという人道的な姿勢に、テレビ局が注目し、この教育をヒントにぬいぐるみを使ったユニークな番組がスタートして、世界中で爆発的な人気を呼んだ。その町の表通りが「セサミストリート」、つまり「ごま通り」という名前だったという。


   ごまには栄養価がぎっしり詰まっている上に、抗酸化力も高く、若返りの妙薬ともされる。これもやっぱりごまの神通力。「開け!ごま!!」の呪文は今でも幸運を呼んでくれそう…。

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