2006年03月10日号

古い電化製品の運命は…


「PSEマーク」がついていない電気製品のほとんどが4月から販売禁止になる。新品はもちろん中古品も違法となり、懲役や罰金の刑に処せられる――こう聞いてもピンと来ない人が多いのではないか。恥ずかしながら、散歩人などはつい数日前にテレビのニュースで初めて知った。しかし、今ごろになって国会で騒ぎ出している始末だから、5年も前に法律が施行されていたのに、議員さんのほとんども知らなかったのだろう。


   「電気用品安全法」という新しい法律が、平成13年4月1日に施行されていた。ほとんどの電気用品に技術・安全基準適合のマークの表示が義務付けられるという法律で、移行のための5年の猶予期間が切れて、多くの電気用品に法律の規制が適用になるのが今年4月からなのだという。


   ところが、直前になってさまざまな問題が噴出した。まず、中古品業界。電気メーカーや電気店など特定業界以外へのPRがなぜか不足していたため、リサイクル業者などはまさに寝耳に水。4月からは2001年(平成13年)以降に製造された「PSEマーク」付き製品以外は中古品でも販売禁止になり、消費者も買えなくなる。マークのない在庫は、販売できない「ゴミ」になってしまうどころか、逆に莫大な処分費用がかかってしまう。いきなり死活問題に直面したわけだ。一方、農家や中小製造業者も、安い中古機械が手に入らなくなるばかりか、価値がゼロになるから、機械を担保に資金融資を頼んだりするのが一気に困難になる、といった観測も出ている。古い電気製品の修理さえ難しくなるという見方があり、この法律が与える影響は奥が深く、また大きい。


   古い音響機器がいい音色を出す場合が少なくない音楽業界では、坂本龍一さんらが中心になって署名運動が行われているが、期限までもう1ヵ月もない。多くの人々は新法の存在すらまだ知らない。

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