2006年03月10日号

緑内障と視野②緑内障による視神経線維の障害


カメラのフィルムにあたる網膜で得られた映像を脳が認識するには、視神経節細胞から延びた視神経線維が伝達経路として重要な働きをしています。眼の機能が全く正常なヒトでも加齢により視神経線維は年齢と共に減少していきますが、一生を通じて視野に異常を自覚することはほとんどありません。視神経線維は例え線維の数が減少しても正常な機能を保つための十分な数的余裕があるのです(前回の話)。しかし、この神経線維はある本数以上が減少すると視野に異常が現れます。


   それでは視野が徐々に欠けていく緑内障の場合に視神経線維はどうなっているのでしょう。今まで出された幾多の研究報告をみると、緑内障の程度と視神経線維数には密接な関係があることが知られています。つまり緑内障が進行すればするほど視神経線維数も少なくなるのです。緑内障眼では病気が進行していく過程において、経年的に起こる生理的な視神経線維の減少よりも遙かに早いスピードで視神経線維の減少が起こっているのです。このような観点からみると、「視神経繊維の老化が正常眼よりも格段に速く起こる病気が緑内障である」と言うことが出来ます。それではどうして視神経線維の減少が早まるのでしょう。原因についてはいろいろな可能性がありますが、視神経線維に最も悪い影響を与える因子として眼圧の上昇が考えられています。何らかの障害により眼内で産生された房水の排出が阻害されると眼圧の上昇が起こります。高眼圧に最も弱いのが視神経乳頭部に集中している視神経線維で、眼圧の圧迫により視神経線維内を流れる伝達物質(網膜から脳へ情報を送る物質)の移動が阻害されます。この状態が続くと視神経線維の障害を来たし、やがては消滅してしまうのです。


   眼圧の正常値は10~20mmHgです。緑内障となり慢性的に眼圧が20mmHgを越えた状態が続くと徐々に視野異常が現れてきます。更に、最近では眼圧が正常値を示すにも関わらず緑内障の視野異常を起こす正常眼圧緑内障が問題となっています。


クロックス

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