2006年04月21日号

ベーチェット病②シルクロードを越えてきたぶどう膜炎


シルクロードを経て地中海から日本に渡ってきたベーチェット病、今回はその臨床的な特徴についてお話しします。


   ベーチェット病は、日本が最多発生国ですが、近隣の韓国やシルクロードの起点となる中国、中近東からさらには地中海沿岸諸国にもよくみられます。


   我が国の患者数は1972年には約8000人、1984年には13000人弱、1991年には18000人強と年々増加の傾向がみられます。特に北海道や東北地方などの寒い地域に多く発生しています。年齢をみると20~40歳の働き盛りに好発し、性別では男女ほぼ同数に発症しています。


   ベーチェット病は、口腔粘膜のアフタ性潰瘍(口内アフタ)、外陰部潰瘍、皮膚症状、目のぶどう膜炎と4つの主要症状がみられますが、それ以外の全身の臓器にも炎症が起こります。まず口内アフタですが、ベーチェット病に最も多くみられる症状で、唇の裏側・舌・はぐきなどに繰り返し出現しては治癒する潰瘍です。皮膚症状として、手足に赤い腫れ物ができたり、皮膚の膿疱、静脈が炎症を起こし痛むこともあります。また、注射の刺し口周囲が赤く腫れたり、かみそり負けをよく起こします。性別に関わらず外陰部や肛門にも潰瘍を起こします。


   目の炎症症状は全体の約70%に発生すると言われています。眼症状の特徴は、再発性前房蓄膿性ぶどう膜炎という言葉に代表されます。少し長ったらしい病名ですが、眼球内の前房(角膜と虹彩の間にある空間)という部位に、突然細菌のいない膿が溜まる炎症を何度も繰り返し起こすぶどう膜炎という意味です。また、眼底には網膜血管の炎症、網膜浮腫、出血、硝子体混濁などが出現します。


   自覚症状としては突然起こる目の充血、かすみ、目の痛み、視力低下などです。


   ぶどう膜炎症状は数週間で治り視力も回復しますが、その後数ヶ月で再発します。すなわち、「発作的」、「一時的」、「繰り返し」というのが特徴です。発作を繰り返している内に、網膜機能の喪失、視神経萎縮、白内障、緑内障、硝子体出血などを起こし、目の機能は著しく障害されます。

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