2006年04月21日号

「花咲か爺」に、なぁーれ!


Mさんは80歳台前半の男性。私のクリニックには4年程前に4日間も続く38度を超える高熱と咳や痰などの症状を訴えて初診した。脳卒中で入院中の奥様を見舞っての帰り当クリニックを受診したのだが、胸部レントゲン検査で急性肺炎と診断した。年齢を考慮して入院を勧めたが、「何とか外来で……」との本人の希望もあり、「3日間だけ外来で治療をするけど、改善傾向が見られなければ入院してもらう」と約束した。


   幸い抗生剤が奏効し、2週間ほどで全治した。その間に奥様への今後の対応についての相談も受けたが、適切な助言ができたかは自信がない。盛夏も過ぎた時期、奥様は病院から「急性期が過ぎた」と言われ退院を余儀なくされた。Mさんには「自分だけで抱え込まず、娘さんの助けも借り、どうしてもダメだと思うときは相談してください」と。


   この時期クリニック前の副道に並べたプランターのペチュニアは花もまばらになり、切り戻しのタイミングだが、エンゼルトランペットは優雅な花を咲かせ始める。この花を見たMさんに「挿し木した苗を……」と約束した。翌年、見事に育てあげて開花させたMさんのエンゼルトランペット。「来年はペチュニアに挑戦してみたい」とのこと。種植えの時期から移植と摘心の時期、プランターに植えてからの養生の方法、切り戻しのタイミングまで図解入りで教えた。


   私の教授法が良かったのか、Mさんの手技のせいか不明なのだが、持参した写真ではMさんの家の周囲は花盛り。雨が降るとプランターをガレージに避難させたそうだ。今年も育苗の季節、新しく取り寄せたペチュニアの種をMさんにプレゼントした。以前、ホームセンターで偶然に会った奥様と娘さん「今日は肥料を買いに来たんです。まったく趣味のないあの人が……」と言って満更でもなさそうな顔を見せてくれたときには安心した。「花咲か爺」万歳!

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