2006年05月26日号

危険と不信と…


「本当に恐ろしい。これからは子供から一瞬も目を離せなくなる」――世界遺産・白神山地のふもと、人口4千数百人の秋田県山本郡藤里町で起きた事件が全国を震撼させた。自宅まで後数10mのところで下校途中の藤里小学校1年生、米山豪憲(ごうけん)君が行方不明になって翌5月18日午後、12km離れた隣町、二ツ井町仁鮒の米代川河川敷で、首に締められた痕を残して遺体となって発見された。


   4月には豪憲君の2軒隣りに住む、やはり藤里小4年生の畠山彩香さんが行方不明になり、豪憲君の発見場所と2kmしか離れていないところで水死体で見つかっていた。彩香さんも学校から帰宅後、買って貰ったばかりのピカチュウの人形を持って、友達の家に行くと家を出たままだった。子供たちが無邪気に遊ぶ静かな町で、1ヵ月ほどの間に2人も不審死するという事態が、土地の人々に言い知れぬ恐怖感を広げている。


   藤里町では保護者が学校に子供を送り迎えし、隣町の能代市二ツ井町では、町ぐるみで子供たちの安全を確保しようと呼びかける緊急の回覧版が回った。深刻な被害が続発する都市の人々も、この事件に敏感に反応している。散歩人の場合も、毎日学校から「不審者情報」なるものが届けられる異常な環境の中で子供を育ててきたから他人事ではない。親の不安は極限まで来ているかも知れない。


   大人が子供に声をかければ不審の目で見られかねない。逆に子供は大人を常に不信の目で見る。今ほど子供を大切にしなければならない時代に、子供と大人の間に高い垣根が築かれてしまっている。そして、現実に命すら危険にさらされる子供たち。われわれは何という世の中を作ってしまったのだろう。


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