2006年06月23日号

せきぜんそく(咳喘息)


Aさんは43歳の男性。今年4月の人事で係長から課長へと昇進した。2月下旬にその旨の内示があったが、その頃に少し無理をして風邪を拗らせたせいか、咳が長引いていて2ヶ月以上にもなる。勤務先近くの診療所を何度か受診し、風邪と診断されて風邪薬を処方されたものの軽快せず、奥様の勧めで当クリニックを受診した。


   長引く咳を訴える患者さんには、まず咳の性状を詳しく尋ねる。どのような時間帯や状況で咳き込むか、喀痰や血痰の有無、夜間にゼイゼイすることがないか、など。Aさんの場合、布団に入る時間帯や起床時、昼間でも屋内から屋外に出たときや他人の煙草の煙を吸ったり、長く会話を続けたりしたときに咳き込み発作が誘発される、喀痰や血痰などを伴わない空咳、夜間に咳き込むもののゼイゼイや呼吸困難はないとのこと。


   最近提唱されている咳喘息という概念がある。多くは風邪が引金となって痰を伴わない咳だけが数週間以上も持続し、夜間から早朝にかけて多く、冷たい空気や煙草の煙を吸い込んだとき、会話や運動によって誘発されるが、ゼイゼイや呼吸困難は伴わない、というものである。アレルギー性鼻炎などアレルギー素因を持っている人に多く見られ、自然に治癒しても再発し、放置すると気管支喘息になることが多い。治療法としては、抗アレルギー剤や気管支拡張剤、ステロイド吸入薬などが有効である。


   Aさんの咳の性状から、咳喘息と診断して抗アレルギー剤であるシングレアと気管支拡張剤であるテオドールを処方し、「3日間この薬を服用しても咳が軽減する徴候が見られなかったら、必ず再来する」ように指示した。4日後に再来したAさんにステロイド吸入薬を処方した。その後10日ほどして定期受診した奥様の話では、「頑固な咳で肺癌の心配もしたけど、吸入を始めてからほとんど咳発作は消失した」とのこと。めでたし、めでたし!


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