2006年07月14日号

加齢黄斑変性症 ①Tさんの場合


かの有名な画家、あのピカソの大作には、どう見てもヒトの顔が歪んだように描かれたものがありますね。表面が凹凸になっている「びっくり鏡」に自分の顔を映してみると、身体がひょうたんの様になったり、風船のように縮んだり、ピカソの絵の主人公になったような気分になります。


   ところがこのような「歪み」の症状が、今までは健康な目に突然現れたときには、怖い病気の前兆になっていることがあります。


   来年定年を迎える59才のTさん。毎日10時間ほどの車の運転が日課です。1週間ほど前から道路中央の白線が二重にだぶるので、左右別々に見たところ、左目で見ると白線が歪むというのです。同じ時期に中心部も以前よりやや薄暗くなり、視力も若干低下したようだということで来院しました。


   視力を測定すると右目は1・2と良好ですが、左目の視力は0・7と低下していました。また、アムスラーチャートという縦横20の升目に区切られた紙を見てもらうと、中心部が薄暗く、近くの数本の線が歪んでいることが分かりました。左目の眼底検査では、ものを見る中心に位置する黄斑部に小さな出血斑があり、周囲の網膜にはむくみ(浮腫)が見られました。そこで、造影剤を注入して蛍光眼底造影検査を行いました(この検査は、造影剤が眼底を流れる状態を撮影して、網膜を栄養している網膜血管や脈絡膜血管異常を検索します)。Tさんの蛍光眼底写真を見ると、脈絡膜新生血管という今まで存在しない血管が脈絡膜に新たに生じ、黄斑部網膜に進入していたのです。この新生血管が視力低下の元凶で、加齢黄斑変性症を診断する決め手となる所見です。


   脈絡膜新生血管が黄斑部の中心からはずれている場合、レーザー光凝固で新生血管を焼き固め、出血や浮腫をくい止めることができれば視機能を快復させることができます。幸いTさんの左眼の新生血管は黄斑部から離れていたため、光凝固治療を行うことにより視力は快方に向かっています。


   最近急激に増加している加齢黄斑変性症、次回はその対策についてお話しします。


   はやし眼科/江別市大麻中町2―17メディカルビルおおあさ3F


あせも対策

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