2006年08月25日号

No.71


8月9日、この日、私の熱い夏は終わった。連日30度を越える炎天下のもとで、パウロ夏祭りのためのよさこいの練習を頑張った。


   祭りの当日、会場の準備をしている職員の背中が、汗で世界地図のように濡れていた。火を扱う焼鳥、たこ焼き係の担当者の顔は茹で蛸のように真っ赤だ。仮装大賞を狙って全身着ぐる身の面々も、滝のような汗を流しながら一言も「暑い」とは言わない。それは患者さんの顔が笑っているから…。私達はこの笑顔が見たいから頑張るのだ。


   10何年も昔の事、長く入院されている患者さんが「毎日同じことの繰り返し、たまらなくむなしいのです」と訴えた言葉が、私の心を動かした。


   私達が当たり前に吸って吐く1分1秒1呼吸が、患者さんにとってどんなに大切なものか、そんな事を考えた事がなかった私。1日天井を見て、寝て過ごす入院生活は余りにも寂しすぎる。長い入院生活が続く患者さんをベッドから起こしてあげたい。「中庭でのピクニックはどう?」と師長達に相談したら、全師長が両手をあげて賛成してくれた。おやつと水分補給の水物を準備して、後ろでは院長が見守ってくれていた。患者さんの嬉しそうな笑顔に大きな達成感を味わったものだ。


   これがパウロ夏祭りの原点だ。「夜の行事は無理?患者さんに、花火を見せてあげたい」。職員の大半が賛同の手をあげ、1患者に1職員が付き添いガードする。


   今年も夜空にはじけ散る連発花火を、皆で1つ、2つと数えていたら、言葉に障害のある患者さんから「パ・ウ・ロ!!」と掛け声がかかり涙が出るほど嬉しかった。むなしい心はどこから来るのか?それは、明日に希望が持てない時。明日は良い事がある、そう思える事で、病気に向き合って行ける。人生のその時、その瞬間は2度とないのだもの、ネッ!? そうでしょ?見上げた空が秋だった。


消臭 飲むだけ

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