2006年08月04日号

桑の実


町内の300近い世帯が近くの公園に集まって、炭火のバーベキューコンロの大きな輪をずらりと囲む、町内会の焼肉パーティが今年もあった。飲み放題のビールを手に、日頃、ほとんど顔を合わせる機会のない隣人たちと、話を交わすことができる、貴重なひとときでもある。


   その公園のほとりの木に子供たちが群がって、枝を引っ張り下げては、何か木の実を取って食べている。下の枝の実を食べ尽くした男の子たちが去り、女の子2人が残って上の枝を引っ張り下げようとしている。桑の実だ。散歩人も子供の頃、口のまわりを赤紫に染めて夢中になって食べた懐かしい情景。


   うれしくなって、子供たちに話しかけ、上の枝を引っ張り下げてあげて間もなく、その子たちを呼び戻す声。その声に警戒感がにじんでいる。枝を引っ張り下げたまま取り残された散歩人は、「変質者に見えるのかなぁ」、などと心でぼやきながら、席に戻った。


   町内の親睦を目的にする焼肉パーティですらこんな調子だ。今の世の中、親が神経質になるのもよく理解できるのだが、大人が人の子と気軽に話しさえできなくなったような、言いようのないわびしさ。そんな社会の有り様の恐ろしさを感じて、数10年ぶりの桑の実は、結構すっぱい味がした。


プラセンタ

トラックバックURL:

« 加齢黄斑変性症②原因とその対策 | TOP | 歩くこと »

[PR]SEO対策済みテンプレート