2006年09月08日号

S婆ちゃんとの混浴?


開設以来4年間、往診を続けているグループホーム「いきいき」は、一昨年から毎年、札幌市南区にある駒岡清掃工場の焼却熱を利用した「保養センター駒岡」への1泊旅行を行っている。今年で3回目になるが、今回は昨年秋に開設したばかりの「いきいき栄」と合わせて45名にものぼる認知症を抱えた高齢者、介護スタッフや家族など総勢100名弱にもなる大所帯の旅行となった。


   教科書的には「認知症患者は集団での行動が難しく、新しい環境に適応できずに不穏状態になる」とのことで、宿泊しての旅行は適切ではないと言われている。だが、過去の経験から介護スタッフの対応次第で楽しい時間を過ごしてもらえることは経験的事実なのである。残念ながら翌日にはすっかり旅行のことを忘れ去っている人もいるが、楽しかった出来事の余韻だけは残って翌日も晴れやかな表情で過ごしている。


   今年の1泊旅行の最大イベントは、私とS婆ちゃんとの入浴。大の風呂好きのS婆ちゃん、昨年は入浴が1回きりで非常に不満気な様子、これを見て「来年は先生と一緒に入ろう」と言ったのがきっかけ…この1年間「いつ、温泉に連れてってくれる?」と私に言い続けたS婆ちゃん。保養センターの職員の協力で、20分だけ大浴場を貸切りにしてくれた。


   S婆ちゃんに女性スタッフが使っていた水着を着せ、男性介護スタッフと私、ホームを経営する社長も一緒に水着を着ての混浴となった。私に抱きかかえられ浴槽に脚を伸ばして浸かりながら眼を細める婆ちゃんの満足そうな顔を眺め、私自身もS婆ちゃんとの約束を成就できた満足感を覚えた。入浴後の宴会の席で「誰と一緒に風呂に入ったの?」と幾人ものスタッフから繰り返し尋ねられるS婆ちゃん、少しはにかみながらも「そんなこと、訊くもんじゃない」…ピシャリと一言!


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