2006年09月15日号

食品添加物


“食品添加物の神様”などと異名をとった、安部司さんという人が、昨年末「食品の裏側」(東洋経済新報社刊)という、添加物にどっぷり浸かる食品製造の舞台裏を暴く本を出し、社会に大きな衝撃を与えた。


   ミルクだと思って使っている小さな容器(ポーション)に入ったコーヒー用クリームが、実は植物油に水を混ぜ、添加物でミルク風に仕上げたもので、牛乳が使われていないものも多いという事実。柔らかく色の悪い低級タラコが、着色用、身引き締め用、品質改良用などのたくさんの添加物の液に一晩浸けておくだけで、つやつやと色合いの良い、身の引き締まったしっかりした硬いタラコに生まれ変わる事実。添加物の粉だけを調合してできるインスタントラーメンのスープの事実……ほとんどの食品に膨大な種類の添加物が野放図に使われているという現実にこの本は警鐘を鳴らしている。


   食品添加物商社のトップセールスマンだった安部司さんは、子供の誕生日の食卓に、メーカーの依頼で自分が開発したミートボールがのっているのを見て愕然とする。産業廃棄物になるべきクズ肉を、20~30種類の添加物を大量に投入して“食品”に仕立て上げたミートボールが、我が子の大好物だという。安部さんは「食べちゃダメ」と捨ててしまう。多くの食品工場の人が自社の製品を食べないことも、経験で知っている。一晩眠れない夜を過ごし、次の日、安部さんはすっぱり会社を辞めた。


   本来ならすぐに腐ってしまうはずのものが、長持ちしておいしく食べられる。しかも簡単に食事が用意できる。そんな「安さ」「手軽さ」「便利さ」は食品添加物があってこそのもの。ある意味、消費者が望んで育ててきたことだ。しかしまた、毒性・危険性という恐ろしい“影”の部分もある。阿部さんは消費者がそれを知ることができる「添加物の情報開示」が必要だという。食品の舞台裏の生き証人、安部司さんが告発する本「食品の裏側」のサブタイトルは「みんな大好きな食品添加物」。一度読んでみる必要があると思う。


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