2006年10月27日号

目は口ほどに物を言う!


Oさんは70代の男性。ときどき風邪をひいたり、「すこやか健診」を受診したりしている常連客である。ある日、「どうも食中毒のようだ」と訴えて来院した。近くの公園で採取した茸に中ったらしいとのこと。どんな茸を食べたのか尋ねたら、聞いたこともない茸の名前を列挙……症状は嘔吐だけ、「吐いたらすっきりした」とのことで、解毒剤?の点滴を行って経過観察し、終了しても全身状態に異変がないことを確かめて帰宅してもらった。

   診察時間の終了間際だったため患者さんは誰もいず、点滴をしているOさんのそばで、キノコ談義に聞き入った。この付近に自生する茸の種類は非常に沢山あり、そのうち毒を持つものは珍しいのだそうだ。自分で採取した茸を図鑑と照合しながら見分け、食したときの「毒か毒でないか?」の見極めが《快感》なのだそうだ。私にはとても真似ができない。

   先日のコラムでYさんの「少年の目」の話を書いたが、キノコ談義をするOさんの目もYさんと同じ「少年の目」だった。Yさんに関する記述では、ある人から手紙が届いて間違いを指摘され、私が聞き違いをしていたらしい。Oさんは、若かりしときに自分で採取した茸に中って大事になった経験を話してくれたが、それ以後の学習機能が発揮されていないようだ。しかし、それが趣味と言うようなものなのかも知れない。

   「目」の話を書いてきたが、先日、クリニックに勤務する看護師の教育大学サッカー部に所属する息子がコンサドーレの試合でボールパーソンをした。そのこともあって、ファイターズがリーグ1位を決める試合、コンサドーレは負けられない試合で重なり迷ったが、コンサドーレの応援を優先した。偶然に会場で出会った看護師の息子、彼の「目」にも青春を謳歌する活気がみなぎり、自分の学生時代を思い出し、思わず「終ったらメシでも食いな」と自分の財布を開いた……「目は口ほどに物を言う」か!

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