2006年12月01日号

網膜剥離①


目の病気の中には突然発症し、治療しなければ失明してしまうものがあります。今回は、眼球の内部にある網膜が剥がれる裂孔原性網膜剥離についてお話しします。

   まず、眼球の構造と働きを思い出していただきます。眼球の一番外側に当たる白目の部分を強膜と言いますが、名前の通り固くてしっかりした膜で、眼球の外壁を成し外圧から眼球を保護しています。その内面に張り付くように脈絡膜と呼ばれるほとんどが血管で出来た膜があり、これは網膜への栄養補給路の働きをしています。更にその内側には網膜色素上皮と言う一層の細胞層で構成される膜があり、脈絡膜から網膜への栄養補給と酸素供給を行い、同時に網膜から使用済みの老廃物を脈絡膜に送り返す役割を担っています。一番内側にある網膜は薄い膜状の組織ですが、硝子体と接した状態にあります。網膜は光や色を感じ、物の形を認識するなど多彩な機能を発揮するのに必要な神経細胞と神経繊維でできています。そして眼球内部の大部分を占める硝子体は、透明なゼリー状の組織で、眼球の形態を保つのに一役買っています。(眼球の構造に関しては、本紙2面にある眼球断面図を参照してください)。

   網膜剥離は、網膜が網膜色素上皮から剥がれた状態のことです。網膜剥離が起こると網膜への酸素や栄養供給がストップするため網膜機能が低下し、光に対する反応が弱くなり、剥離した網膜の範囲に相当する部分は、視野が欠けてしまいますが、網膜剥離が視力の中心である黄斑部に及ぶと視力も急激に低下します。

   網膜剥離は、網膜が破れて(網膜に穴ができて)起こる裂孔原性網膜剥離と穴の無い非裂孔原性網膜剥離という2つがあります。大部分の網膜剥離は裂孔原性(穴ができるタイプ)で、網膜剥離と言えば通常裂孔原性網膜剥離(図参照)を示します。一方非裂孔原性には、増加が著しい糖尿病網膜症、ぶどう膜炎、希に眼球内の腫瘍に併発する網膜剥離などがあり、治療はそれぞれの原因疾患を治療するのが原則です。次回は、裂孔原性網膜剥離について更に話を進めます。

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