2006年12月15日号

網膜剥離②網膜剥離はどのように起こるか


網膜剥離は、前回お話ししたようにいろいろな網膜の病気が関わり、その網膜病に続発して(2次的に)生ずることもあります。一般的に網膜剥離は、網膜の一部に穴が開き(網膜裂孔形成)、その網膜裂孔を通して硝子体から網膜の裏側(眼球正面から見ると網膜の後ろ)に水(硝子体の液体成分)が入り込んで、網膜色素上皮から神経網膜が剥離した状態を示します。では、どのようにして網膜に穴が開くのでしょう。


   網膜裂孔の原因は大きく2つに分けられます。


   ①網膜自身の発育異常 裂孔が出来る第1の理由は、一部網膜の生まれつきの発育不良、網膜の栄養血管の未発達など網膜自体に問題がある場合です。このような網膜病変は中心から遠く離れているため、自覚症状は全くありません。病的網膜は年を重ねる度に薄くなり、やがて網膜裂孔となり、網膜剥離へと発展します。このタイプの網膜剥離の発症年齢は比較的若く、ピークは20~30歳です。


   ②硝子体が網膜を引きちぎる もう一つの網膜裂孔は、硝子体が網膜を引きちぎって網膜裂孔を起こすタイプで、こちらの網膜剥離が多数を占めます。硝子体は肉眼的にはゼリー状の透明な塊りとして見られますが、特殊な顕微鏡で微細構造を観察すると水分をたっぷり含んだヒアルロン酸の粒が、コラーゲン線維を骨格とした小部屋(ジャングルジムに似た立方体)に規則正しく詰め込まれた状態で存在してます。年を取ると徐々にコラーゲンの骨格がつぶれ、ヒアルロン酸がコラーゲン線維の小部屋から押し出され、コラーゲン線維とヒアルロン酸は分離されるのです。これは正常な硝子体でも起こる加齢変化で、読書や白い壁を見たときなどにゴミ、あわ粒など、影が動く飛蚊症として自覚されます。しかし、ある日突然コラーゲン繊維が大きな収縮をし、このとき硝子体が網膜に癒着していると、硝子体の強い牽引に負けて網膜が裂けてしまい、網膜剥離が起こるのです。50歳代がピークで、一旦網膜剥離が起こると急速に進行します。ではどのように対処すればよいか、次回に続きます。

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