2007年01月01日号

術中虹彩緊張低下症候群


内科系外科系に関わらず様々な病気に使われる多種多様な薬、それが思いもよらない効果(多くは副作用ですが)をもたらすことがあります。今回は、前立腺肥大症の治療に使われている薬が、白内障の手術の際に、手術をやりにくくする(術中の危険度を増す)ので注意してください、という最新のお話です。

   前立腺って何でしょう? 前立腺は、男性のみが有する臓器(女性にはありません)です。膀胱の出口からすぐ出た尿道の周りを取り囲む様に存在するクルミぐらいの大きさの臓器で、精液の液体成分を分泌しています。

   50才を過ぎた男性は前立腺肥大症に注意! 泌尿器科疾患で最も多い疾患が前立腺肥大症と言われています。前立腺の組織を顕微鏡で詳しく調べると30代中盤には既に肥大が始まっていると言われ、55才以上の日本人男性の5人に1人(20%)は前立腺肥大を有していると言われるくらいポピュラーな病気です。前立腺肥大症になると夜間や日中の頻尿、尿勢低下、残尿感などの症状が現れます。

   治療をどうするか? まず薬物治療を行うのが治療のいろはで、最も安全かつ有効な治療薬として、塩酸タムスロシンというα1―ブロッカー薬が使われることが多いのだそうです。

   白内障手術中の問題

   白内障手術は水晶体が虹彩の後ろにあるため、瞳孔を十分に開いた状態を維持しなければ手術が出来ません。しかし、この薬を内服していると手術の最中に瞳孔が小さくなったり、虹彩をばたつかせたりして、手術を難しくすることが分かってきました。この薬を中止してもやはり同じような弊害が術中に出るため、手術前に薬の服用の有無を確認し、事前に対策を考えなければなりません。

   そこでこれから白内障手術を受ける方は、前立腺肥大症治療の有無を主治医に必ず告げていただきたいのです。前立腺肥大症の治療に使用されているα1遮断薬の商品名は、ハルナールD錠、フリバス錠、アビショット錠、ユリーフカプセルなどです。まず、この様な薬が使用されていないか否か、ご自分で是非チェックしてみてください。

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