2007年01月19日号

豊かさってなんだろう


財政債権団体になる夕張市で、明るい話題を全国に発信したのが、予算1万円というほとんど開催不可能だった成人式を、「お金がなくても、思い出に残る成人式を」とあきらめずに頑張って、立派な手作り成人式を実現した新成人の若者たちだった。行政のトップレベルにあるお役人が、給料・退職金削減計画に大挙して早期退職を希望し、“まち”を見限るのとはあまりに対照的なニュースだったが、その一方で、成人式に出席した若者に、騒いだりするものが誰もいなかったというのが印象的だった。あれだけ荒れるのが当たり前だった成人式が、今年は夕張に限らず全国的にも平穏だったところが多かったという。

   そんな折、高級マンションに住むエリートサラリーマンの妻が、夫を殺してさらにバラバラに切り刻んで捨てたというショッキングな事件がニュースになった。歯科医師の息子が妹を殺したバラバラ事件が世間を驚かせたばかりで、どうも世の中変なのだ。人を殺して、それも身近な人を、ノコギリなどを使ってバラバラにする行為。想像できるだろうか。それが立て続けに2件、いや、また茨城で男性の上半身の切断死体が見つかったという報道…。

   昔は貧しさゆえの犯罪があった。今は、もしかしたら経済的な豊かさゆえの“狂気”という側面があるのかもしれない。豊かだと言われた時代、学校や成人式は荒れに荒れた。甘えが許されない状況になれば、自立と自制の心が芽生える…そういったら短絡に過ぎるだろうか。

   「♪右のポッケにゃ夢がある左のポッケにゃチュウインガム…」―美空ひばりは「東京キッド」でこう歌った。終戦後のあの貧しい時代に、人々は「夢」だけは持てたのだろう。豊かさってなんだろう…。

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