2007年02月02日号

冬の遊び


おおさむこさむ山から小僧がおりてきた……冬が近くなって、身に沁みるような凍て風が吹き出すと、子供たちは決まって声を張り上げて、風に向かって挑むように歌いはやした。たいていは小枝か何かを振り回しながら、顔を上げ胸をそらせて。何だか“つわもの”になったような気がして、不思議に体は温まってくる。おおさむこさむ…のわらべ歌は、江戸後期の本にはもう記録が残っていて、歌の文句は、山から小僧が「泣いてきた」、あるいは「とんできた」などと地方で少し違うようなのだが、子供たちの北風に向かう雄雄しい気勢は一緒だったに違いない。


   そして冬本番。昔はかまくらだの迷路だの、砦を作って雪玉合戦だのをして遊んだが、そのうちナイロン製の肥料袋なんかが出始めてから、それ1枚を持っていたるところの崖すべりをして、雪まみれになって遊んだ。しもやけの痒(かゆ)さと痛さに泣いて、それでもまた、次の日には雪の中に飛び出す、そんな昔日だった。


   平安時代の流行り歌を集めた梁塵秘抄(りょうじんひしょう)に――遊びをせんとや生れけむ、戯(たわむ)れせんとや生れけむ、遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動(ゆる)がるれ――という、遊ぶ子供の無邪気さを見て、大人もついうきうきしてしまう微笑ましい歌がある。昔も今も子供は遊ぶことが仕事なのだろうし、それを見て喜ぶ大人の心もまた、何千年も変わらない本来の姿だった。


   さあ、冬のおまつり。ケガなんか恐がらないで、成績なんかも気にしないで、ましてや大人の理屈なんかに惑わされないで、無邪気に気ままに遊んで欲しい。大人もこんな時には遊んじゃえ。ビニール袋を1枚持って、散歩人もどこかに遊びに行こうっ、と…。

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