2007年02月16日号

網膜剥離⑤網膜剥離に対する心構え



   ①周辺の網膜に穴が開く 裂孔原性網膜剥離(網膜に穴が開いて起こる網膜剥離)は、ほとんどがものを見る中心(黄斑部)から遠く離れた赤道部または周辺部網膜から発症してきます。この網膜剥離は、全く無症状の状態からいきなり網膜剥離が起きて黄斑部剥離まで急速に進行するものもありますがむしろ少数派と言っても良いでしょう。多くの場合、網膜剥離を発症する前後に飛蚊症や光視症、剥離が起こると視力低下、視野狭窄、変視症(ゆがんでみえる)といった症状が出現します。


   ②剥離は中心に向かう 周辺で剥離が起こる過程として、まず網膜の一部に穴ができ(網膜裂孔形成)、裂孔の周り剥離が発生し、それが中心に向かって広がり(剥離拡大)、黄斑部を侵し(黄斑部剥離)、更にすべての網膜が剥離する(網膜全剥離)という経過を辿ります。


   ③手術かレーザーかの分かれ道 網膜剥離の治療は、網膜裂孔を閉鎖して剥離した網膜を元の位置に復位させることです。一気に進行した網膜剥離は、入院して手術以外に治療法ありませんが、網膜剥離が穴の周りに限られているような状態であれば、網膜剥離の進行を抑えるレーザー治療が外来で比較的容易に行えます。どちらの治療が出来るのか分かれ目は、いかに早く網膜裂孔を見つけるかにかかっています。


   ④日頃の見え方の変化に注意 網膜剥離が相当進行して見える範囲が狭まったり、中心部まで剥離が進行して視力低下や変視症が起こったものはレーザー治療はできません。しかし、裂孔の位置や剥離の程度を自分自身で知るのは不可能です。そこで、飛蚊症を自覚するか否かが早期発見の手がかりになります。小さなゴミ状の混濁や線状の混濁に加え、大きな輪がふわふわ見えるようであれば要注意です。また、光視症(暗い所で目を動かすと光がピカーと見える)は、穴が出来つつある危険な兆候です。


   網膜剥離が起こってしまうと、網膜が元の状態に快復するか全ての網膜が剥離するかの2つに1つで、その中間はありません。治さなければ失明してしまう怖い病気です。

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