2007年03月09日号

網膜剥離⑥ 黄斑円孔(1)


①ものを見る中心に穴が開く 網膜剥離とは、中心から遠く離れた網膜に穴が開き、そこから剥離が広がり視野狭窄や視力低下などを起こす病気です。穴の周りに剥離が限られていればレーザー治療で進行をくい止めることが出来、治療がうまくいけば視野障害や視力障害は起こりません。一方網膜剥離の変わり種として、見る中心の網膜に穴が開く黄斑円孔という網膜剥離もあります。


   ②どうして起こる 黄斑円孔の原因は、(1)外傷性、(2)近視性、(3)特発性、(4)続発性など様々です。


   (1)外傷性黄斑円孔/強い力が眼球に直接的に加わると、瞬間的に眼球は押し潰され変形しますが、眼膜(網膜・脈絡膜・強膜を一つの膜とした呼び方)はすぐに元の球形に戻ります。しかし、硝子体はそれよりやや遅れて元の形に戻ります。この時間差が硝子体の黄斑部牽引を促し、黄斑部に穴をあける原因となります。スポーツをしていてボールや肘などが目に直接当たったときに危険性が高まります。受傷直後より視力低下や中心暗点が現れます。開いた穴から網膜剥離が周囲に広がることはありませんが、視力を元の状態に回復させるのは困難です。スポーツをするときはできるだけ防護メガネを装用して下さい。


   (2)近視性黄斑円孔/近視がうんと強い目(強度近視眼)に起こる黄斑円孔です。強度近視が通常の軽度近視と異なる点は、メガネの度数が強いだけでなく、眼球が大きいことです。特に黄斑部の眼膜が、あたかも風船の一部が膨らんでいる様に後部に拡張していくと、黄斑部に付着している硝子体が黄斑部網膜を引っ張り、ついには黄斑円孔となります。近視性黄斑円孔は、穴を通して硝子体液が網膜下に入り込み、放置すると網膜全剥離を起こして失明します。手術をして穴を閉じることが唯一の治療です。


   自覚症として、急激な視力低下が最も多い症状ですが、中心部の歪みや中心暗点で異常に気が付くこともあります。眼球打撲やまぶたの圧迫が誘因となることもありますので、アレルギー結膜炎で目を擦る習慣があるヒトは、気を付けて下さい。

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