2007年03月09日号

ギラン・バレー症候群


2月初旬に30歳代前半の男性が下痢、倦怠感、発熱など感冒様症状を訴えて来院した。この患者さん、年に1度は同じような症状で来院する常連客(?)…いつもどおりと思い、点滴をし帰宅してもらった。その2日後、起床しようとしたら足腰が立たない…ようやく掴まり立ちをしたが、足腰に力が入らず歩行するのがやっと。これは大変と思って、休日当番の脳神経外科病院を受診した。MRI検査などでも異常はないとのことで帰された…もう少し詳しく診察していたら…と思う。


   翌日も同様の症状が持続し私のクリニックを受診。確かに歩行はおぼつかない…両側下肢に中等度の筋力低下や膝蓋腱反射の減弱が認められ、排尿感覚も鈍麻しているとのこと。風邪症状の後に出現した脊髄横断性障害…脳の障害であれば、通常、片側のみの症状が多い…ピンときた疾患はギラン・バレー症候群。前日に受診した脳神経外科病院を再度受診するように勧め、私の義弟(妹の夫/脳神経外科医)に相談し、当該病院の院長に電話連絡してもらった。


   ギラン・バレー症候群は、1916年にフランスの内科医ギランとバレーが報告した疾患で、感冒様症状に引き続き、下肢の筋力低下から始まる病気である。筋力低下が進行して徐々に上方に向かい、やがて呼吸筋の麻痺を起こすこともある。発病率が10万人に1~2人という珍しい病気で、原因は不明だが、ウイルスや細菌に対する抗体が自分自身の神経を攻撃するために起こる自己免疫疾患の一種と考えられている。


   受診した病院でもギラン・バレー症候群あるいは類似疾患と診断されて入院となった。幸い麻痺症状は進行することなく、1週間ほどで筋力低下も8割がた改善した。最終的には、ギラン・バレー症候群か何らかのウイルス性脊髄炎の可能性が高い、とのことで確定診断には至らなかったが、35年になる内科医生活の中で経験した2例目の症例だった。


パナソニック コンパクトステレオシステム

トラックバックURL:

« 創作洋食のレストランバー「DD」、新さっぽろに開店 | TOP | 丸屋仏壇店に聞きました「お彼岸って何?」 »

[PR]SEO対策済みテンプレート