2007年04月27日号

最近ちょっと気になる糖尿病網膜症


運動不足や過食などによる肥満が元凶となるメタボリック症候群、いまや国民病と言われマスコミを賑わしております。この準病的状態は、放置すると高血圧や動脈硬化、糖尿病などの元凶となり、心筋梗塞や脳梗塞など生命に危機をもたらします。なかでも糖尿病について眼科の立場からみると以前と比べると様変わりしてきたように思われます。


   ①働き盛りに多い重症の糖尿病網膜症
糖尿病性網膜症は、糖尿病の合併症として高度の視覚障害を起し、失明原因の上位を占める怖い病気です。


   眼科的治療を行う上で糖尿病網膜症は、内科的な治療が中心の軽症網膜症、早急にレーザー治療が必要な重症網膜症、硝子体手術・緑内障手術など緊急治療を要する失明寸前の網膜症があります。


   そこでこの2~3年の間に当院を訪れた患者さんを対象として、初診時に早急な眼科治療を必要とした糖尿病網膜症患者さんについて調べてみました。年齢ではなんと40歳代前半から50歳代前半の患者さんが中心になっているのです。このような働き盛りのヒトが多いのは驚きですが、男性のみに限らず女性もこのような網膜症には注意を払う必要があるでしょう。


   ②自分の糖尿病網膜症に気が付かない
そこで、このような患者さんが当院に来院した理由を聞いてみると、「最近中心部がぼやける」、「何となくはっきり見えない」、「中心部が暗い」などの訴えが多く、「糖尿病があるので眼底検査をしてほしい」という申し出はほとんどありませんでした。つまり現在自分が深刻な糖尿病があり、重症な網膜症が両目に起こっているとは、ゆめゆめ思っていないのです。


   ③糖尿病は大丈夫ですか
更に話しを聞いてみると、「数年前に糖尿病と言われたことがあるがいまは検査も治療も受けていない」、「親が糖尿病で治療を受けていたが自分が糖尿病になるとは思ってもみなかった」、「仕事が忙しくて検査を受ける時間がなかった」など様々な理由で検査・治療を受けるチャンスを逃しているのです。このような方、機会があれば糖尿病網膜症の検査を一度受けてみて下さい。

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