2007年08月03日号

チグハグさ


いきなり尾籠(びろう)な話で恐縮なのだが、学校帰りの山の中で、大の方が我慢できなくなったことがあった。道から離れたやぶに入って息を詰めて…放出。出た快感にホーッとため息をついたとたん、上の道からやはり学校帰りの兄が「お前何してるんだぁー」。見えないと思っていたやぶの中が、実は丸見えで、あわててかたわらの蕗の葉をむしって拭いたらぱりんと破れて、仕方がないからそのまま手で拭いた。黄金にまみれた指は蕗の葉にこすっただけで、ニヤニヤ笑う兄の鞄につかまったことはいまだに内緒なのだが、この些細な出来事は、人間というものは「くさいモノを出す」のだという自然の摂理(せつり)への覚悟を身に刻んでくれたのだった。


   レジ袋をやめて自前の買い物袋(エコバッグと言うのだとか)を使おうという運動が盛んだが、英国アニヤ・ハインドマーチの綿製バッグ(2100円)が世界的に人気を呼び、日本での発売でも銀座の直営店に長い行列ができて、商品を奪い合う小競り合いすら起きたというニュースが流れた。このバッグが今、ネットオークションで10倍以上の3万円を超す価格で取引されているそうだ。自然を大切にし、地球環境を守ろうと提唱された運動と、この狂的なブランド信仰。どうもそぐわない。


   会社のトイレに先がはさみになって柄の付いた見慣れない掃除器具が出現した。紙を挟んで掃除し、そのまま捨てられるのだという。雑巾で手で拭けば力も入ってしっかり掃除できるのに…何か寂しい気持ちになった。殺菌剤をむやみにまき散らす病的なまでの清潔志向。虫などを異常に嫌がる風潮なども、どこか変だ。


   自然の原理の中でしか生きられないはずの人間の、自然本来のありようから遠く離れてしまったチグハグさが気にかかる。

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