2007年09月21日号

「妄想力」


編集で一つ大切にしていることがある。読む人にそのまますっと理解してもらえるような、そんなわかりやすい紙面を作ることなのだが、それがなかなか思うようにはいかない。まんまる新聞というのは、いろいろな生活情報をできるだけわかりやすく伝えようと思って発行している。だから、難しい言葉遣(づか)いは少しでも避けて、四角四面のお役所言葉などもできるだけかみ砕(くだ)いて伝えたいのだが、「道未だ遠し」の段階…。


   それでも、例えば住所表示だと、野幌森林公園のほとりの自然ふれあい交流館なら、住所通り《江別市西野幌…》と書いても、西野幌という住所帯は森をずっと越えて反対側の運動公園の方まで広がるから、《江別市文京台奥・大沢口》と、少しでも具体的にわかる表記に腐心しているつもり…ではある。


   で、それを書く時には、例えば行きずりの人に聞いてわかりやすいとか、そんな風に読む人の立場に立った想像をしながら書き方を考える。こう書けば読者はどう受け取るだろうか、そうした「想像力」が、実は非常に大切になってくる。それはあらゆる仕事にも日常の生活にも共通することだろうと思う。


   マニュアル書に従い“形”だけで覚えさせる方式が未だにもてはやされている。そのおかげで、決まり切った挨拶しかできなかったり、アイスと本とを一緒の袋に平気で詰め込むコンビニのアルバイトさんが出現する。民の痛みがわからない役人や政治家も増える。それもこれも、相手の事情や痛みに思いをはせる「想像力」が弱くなっているためではないのかと、散歩人は一人想像している。強くなったのは、困ったことに誇大妄想や被害妄想の「妄想力」ばかりなのだ。

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