2007年11月02日号


厳しい残暑が長引いて急に冷え込んだものだから、体調を崩す人が多かったようだ。晩秋にさしかかって、風邪がずいぶん流行っている。散歩人も半日寝込んでしまったが、引き始めてから2週間、いまだに長引いていて、ちょっとうっとうしい。寝込んだ時は心理的にかなり落ち込んだ。何せ、夢とも現(うつつ)ともどちらともつかない状態で、あの仕事が残っている、これもやっていない、時間がない…そんな強迫観念的妄想に追われっぱなしで、色気も何もない情けない有様なのだった。目覚めてみれば、現実離れした夢の中の事なのに、夢うつつの枕では切迫して必死に思い悩んでいるのである。


   あの“半夢半現”の世界は、現実でも覚えがあるような気がした。若い頃、似合わぬ恋をしていた時だったか、それとも、資金繰りと仕事に追いまくられて無我夢中なのか夢遊病者なのかわからない状態で生きていた時だったか…。人の心を勝手に誤解して妄想を膨らませて、ありもしないことに気をもんだり、人を疑ったり、被害妄想を持ったり、強迫観念に心を硬くしたり、嫉妬のどす黒い疑いを燃やしたり、意味もなく自信を喪失したり…。人のいい加減な話や相手の他愛のない言葉を、いちいち裏返して、悪く受け取っては疑いの砂の土台の上に、さらに妄想の建物を築いてゆく…。まったくもって独りよがりな、まるで根拠のない異常な心理状態で、抜け出してみれば夢から覚めたように何ということもないことが多いのだが、その中にあがく当人は真剣そのものなのだから始末に終えない。


   仕事や家庭のことで悩んでいた知人が、「夜にモノを考えるのは絶対良くないな。悪い方悪い方ばっかり考えて行ってしまう。朝考えるのとまるっきり違うよな。もう夜の考え事はやめる」と、何があったのか、唐突にそう宣言した。散歩人も思い当たるフシがあったから、知人の決意表明には文句なく賛同したのだけれど、「夜の考え事はマイナスの底に落ち込んで行く一方」「自殺したくなったりするのは“夜型思考”から始まるんじゃないか」などと、知人は並大抵ではない苦労をにじませて主張するのであった。


   人それぞれの頭の中の大騒ぎ。正気に戻れば、どうやら滑稽な一人相撲。秋の夜長、深刻な考え事はやめて、もっと自分に楽しい夢想をしていた方が、身のためなのかも知れない…。


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