2007年11月09日号

考え、指を動かすことが大切!


Eさんは、80代半ばの女性。私が嘱託医をしているケアハウスに1年前に入居した。控えめな女性…最初、ケアハウスの集団生活に馴染めるか心配した…しかし、現在までトラブルもなく生活している。彼女が私のクリニックに通院するようになってから数ヶ月後、大きな風呂敷包みを持参した。診察室に入ってきた彼女、その包みを開いて「これ、使ってくれますか?」と…様々な形や大きさの箱?を取り出した。


   彼女が持参したのは、牛乳パックやトイレットペーパーの芯、お菓子を入れた箱などを組み合わせ、色紙や綺麗な包装紙を貼ったものだ。その素材の組み合わせ、色調にスタッフ一同驚いた。色彩感覚や造形が実に現代的だ。次の診察の時に「デザインの仕事に就いたことがあるの?」と尋ねたところ、「まさか」と言ってニコニコ笑い「頭と指を使ってのリハビリよ」と。


   老化現象で確実なのは「集中力の減退」である。「かつての趣味や興味への集中力が持続できない」と訴える高齢者は多い。診察室で出会う大多数の高齢者は、これを誰にでも起こる現象として受け入れて老化を自覚し、集中力を持続するための努力をしている。しかし、中には「集中力の減退」=病気と思い病院を転々とする人もいる。不幸は自覚できないところにある。


   Eさんの場合は、高血圧症だが降圧剤で適正な血圧値でコントロールされ、集中力の低下を自覚し、対処が出来ている。診察時に持参してくれる様々な器をクリニックで使う様々な備品の収納、私の机上の筆立、スタッフの家の野菜収納庫にEさんの作品を使わせてもらっている。だが、クリニックやスタッフたちの利用にも限界、あるとき「作品を診察に来た患者さんに差し上げても良いかしら」と婦長に尋ねてもらった。「それが私の思いなのよ!お願いします」との返事。Eさんの場合には、頭と指がもっとも適正な活性化のリハビリになっていると思う!


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