2007年12月07日号

ノロとロタ!


新聞やテレビなどで「例年よりも1ヶ月早いインフルエンザの流行」と報道されているが、私の診察室では散見されるだけで流行という実感はあまりない。高血圧症で治療中のAさん、定期受診前にクリニックにやってきた。旅行にでも出かけるので早めの受診か?と思った…だが、訴えたのは激しい嘔吐と下痢。


   詳しく症状が出現した状況を尋ねると、孫2人が前の週に同じ症状のため小児科で治療を受け、嘔吐と下痢や発熱などの症状が治まった頃、今度は娘夫婦がそろって同じ症状となり寝込んでしまった。そのために孫たちを預かることになったそうだ。どうも孫たちからの感染らしい。


   下痢と嘔吐を主症状とする感染性胃腸炎の患者さんが例年よりも多い。秋から年末にかけてはノロウイルスによる感染性胃腸炎がほとんどだが、同様の症状を起こすロタウイルスも知られている。ロタウイルスはノロウイルスにやや遅れて一月から四月に流行する。両者には下痢便の性状に大きな違いがあり、ロタウイルスによる胃腸炎の場合、便性状は米のとぎ汁様の白色便で、仮性小児コレラとの別称もある。


   ノロにしろロタにしろ治療には差がない。ウイルスに有効な薬剤はなく、脱水症を防ぐことが肝心である。スポーツドリンクなどを飲んでも嘔吐する場合、下痢が続く場合には医療機関を早めに受診したほうが良い。特に乳幼児や高齢者は脱水症に陥りやすいので注意が必要だ。非常に感染力が強く、ロタウイルスは、10個ほどのウイルス粒子で感染が起こると言われている。感染予防は原始的だがうがいと手洗いが有効、吐瀉物の処理やトイレや台所など水周りの消毒も重要である。消毒には塩素系漂白剤(ハイターなど)が有効である。幸いにもAさんは1日の点滴で元気になった。


クールジェル

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