2007年12月21日号

今年は「偽」


公募で選ばれる2007年の「今年の漢字」が「偽」に決まり、「漢字の日」の12月12日、清水寺の森清範貫主(かんじゅ)が大きな和紙に揮毫(きごう)して同寺奥の院の本尊・千手観音菩薩に奉納する、年の瀬恒例の行事が行われた。日本漢字能力検定協会が全国公募する、その年々の世相を表す漢字。今年は全国から約9万通の応募があり、「偽=ギ・いつわ(る)・にせ=」が1万6550通と圧倒的多数で1位になった。ちなみに2位は「食」でこれは2444人ほど。3位は「嘘」、4位は「疑」、5位は「謝」…。どれも不信感を背景にした漢字で、「謝」も感謝じゃなくて“あやまる”の方だ。


   「偽」の意味は①いつわる・だます(偽証・偽善…)②にせ・にせもの(偽作・虚偽…)③人のしわざ・作為――ろくなものではなく、対極にあるのが「真」という字。文字の組み立てから“人”の“為(ため)”などと分解したら、それは大きな間違いで、人と為(な)すを合わせて「自然のままでない・人工が加わること」となり、表面を飾って、人をあざむく意味を持つようになったなどと、辞典にはある。


   漢字の応募の際には選んだ理由も添えられる。――食肉、野菜、菓子、ファーストフードまで、産地や素材、賞味期限に多くの「偽」。年金、政治活動費、米艦への燃料供給にも「偽」が発覚し、国会答弁にも「偽」。伝統の土産品にも、名門の老舗料亭にも「偽」…ああ、お前もか。さらに、耐震偽装、相撲やボクシングなどスポーツ選手、英会話学校などの「偽」――同協会はそれらをまとめて、「2007年は、何も信じられなくなった『偽』の年」「何を信じて良いのか、わからなくなった一年」と総括した。


   福田康夫首相は、この「偽」に対し、「どういう言葉が適切かと言うと『信』なんです。今こそ信を取り戻さなければならない」(13日、産経ニュース)と語ったそうだが、う~ん、国民はそれどころじゃない!もうそんなのを通り越して“不信”と“怒り”の塊(かたま)りになっている…と、その脳天気ぶりに腹立たしさすら感じた。この国の政治も、行政も、社会もちょっと気を許せば、隙さえあれば平気で人を見くびり、だますことを、平気でやってきた。口当たりのいい「改革」とやらに、地域経済も老後の生活も、医療・介護も、福祉も、すべてをズタズタにされた思い、わかりますか…?来年の漢字が「怨」にならなければいいが…。


lecca CD

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