2008年01月01日号

もの忘れ


もの忘れも散歩人の場合は度を超している。よくもまあ、そんなに、と言われるくらいに、すぱっ、すぱっ、と頭から記憶が抜けて行く。「あれ?今何してたんだっけ」というのはいつものことで、約束の日時なんかも、気にすればするほど、なぜか間際になって忘れてしまう。


   ええい、面倒だと、首からメモ帳をぶら下げることにした。恥ずかしいけれども、仕方がない。ただ困ったことに、メモ帳を見るのを忘れてしまうことがしばしばで、こうなると、もうつける薬がない。でも、似たような人もいて、そんな人に会うと変に安心したりする。やはりもの忘れがひどいと、手の平に一生懸命メモをしている人がいた。水性だと消えるからボールペンは油性に限るそうだ。お互い大変だよねぇ。


   小話に…「私は味にうるさいから、名のある店しか行かない」「それはかわいそうだ。僕は鈍感でね、たいがいおいしく食べられるから得だね」…食通を気取る半可通をからかう話。「鈍感力」なる言葉を持ち出して開き直る政治家もいたが、あれは“厚顔”とか“無恥”とかに置きかえるべきで、国民の声に鈍感になられたら困る。あっ、話がそれてしまった。小話じゃないけれど、カラオケなんかも下手な人の歌を楽しんで聞けるくらいが、平和で幸せだ。理屈っぽい“賢い”人が何か多いけど、まあまあ、ほどほどの人の方がいい人生を送るかもしれない。


   機械化、コンピューター化のせいだろうか、汗と汗、涙と涙、心と心をぶつけ合って生き合う世ではなくなった。生身の人間が生きるのに必要な“空気”が薄くなって、窒息死する人々も増えるのではないか。もの忘れもいいじゃないか。まあまあ…ほどほど…その方に味わいがある。相田みつをが言っている。「にんげんだもの」。ヘレン・ケラーも言っているそうだ。「楽観主義が未来を拓(ひら)く」……。


   あけましておめでとうございます。今年もまんまる新聞をよろしくお願い申し上げます―社員一同―。


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