2008年02月22日号

飛蚊症と光視症


根雪になってからというもの「ゴミのようなものが目の中に浮いて見える」、「ときどきふわっーと雲がかかったように見える」、「黒い細かいつぶつぶがたくさん出てきて心配だ」、などいわゆる飛蚊症の症状を訴えて来院される患者さんが増えている気がします。飛蚊症は季節には関係がないはずですが、真っ白な雪景色をみると濁りが際だってみえるため今まで気が付かなかったからでしょうか。また「薄暗いところで目を動かしたとき、目の隅に光がピカーと走る」と訴える人もいます。光が見える症状を光視症と言いますが、これらの症状に日常付きまとわれると、不快なだけではなく不安な気持ちになります。そして、一旦気になると、頭からなかなか離れなくなります。


   どうしてこのような症状が生ずるかというと、加齢による眼の老化と密接な関係があり40才代から増加します。近視の強い人(病的近視)では20才前後で現れることも希ではありません。飛蚊症が出現するとき、眼内では眼球内の大部分を占める硝子体というゼリー状の物質が、水飴のようなとろりとした液体(主にヒアルロン酸と水分)と極細の線維成分(コラーゲン線維)に分離していく過程にあるのです。このとき若い頃は規則正しく網目状に配列していたコラーゲン線維が束状に集合します。束が一定の大きさになると眼内の浮遊物または混濁として見えるようになります。これが飛蚊症の本態で、目の動きにあわせてふわふわと眼内を動き回るのです。


   今のところ薬や手術で飛蚊症を治すことはできません。時が経つと飛蚊症は中心から外れてあまり気にならなくなります。しかし、この飛蚊症が現れると、コラーゲン線維の一部が網膜を引っ張って、網膜に穴をあけ、網膜剥離を起こす危険が高まります。特に光りが時々ピカーとたら網膜牽引の徴候として緊急な眼底検査が必要です。網膜に穴が開いても網膜剥離が起こっていなければ、外来でレーザー治療により網膜剥離の予防ができます。


斉藤和義 CD

トラックバックURL:

« 細胞から病気を治す医薬品の話No.174 | TOP | 流産(2) »

[PR]SEO対策済みテンプレート