2008年03月14日号

平成の歩き方?


コンビニで買い物をした。レジにいたのは大学生とおぼしき若い男性だった。TOKIO(トキオ)の長瀬智也に似たその男は、ボサボサ髪に無精ひげ、今どきのだぶだぶファッションにコンビニ制服を着ただけで、何となく恐い感じ。イラッシャイヤセ~。長瀬クンは太い声で一応そう言うと、商品を少し投げやりな態度で袋に入れ、金を受け取った。そして、釣銭をレジから取り出すと、長瀬クンは散歩人が差し出した手をおもむろに下から力強く握ったのである。思わず1~2歩後ずさった。かまわず長瀬クンは力強く手を添えた散歩人の手の平に、慎重にしっかりと釣銭を置いたのだった。長瀬クンの、アリアトーヤシタ~の声を背に苦笑いするしかなかった。


   この「散歩道」でやはりコンビニでの経験にふれたことがある。若い女性店員が釣銭を手の平に上からチャリンと落とすその無礼さを書いたのだった。多くの人がそう感じていたのだろう、コンビニも指導するようになったのか、最近はそういう無神経な態度に巡りあわないのだが、その一方で、手に手を添えて釣銭を渡されることが増えた。


   その新しい指導を、若い男のアルバイト君たちも、やらなければならないマニュアルとして忠実に実行したのだろう。件(くだん)の長瀬クンもそのひとりだったはず(でないと、長瀬クンの行動はずいぶんアヤシイものになってしまう…)。どういう指導をされたかは知らないけれど、首をかしげながら、嫌々客の手に手を添える長瀬クンの“苦渋の姿”を想像したら、何だがおかしくなった。


   この長瀬クン事件で気になったのは、大半の人がそうでないにしても、いい大人の男が戸惑いながらも女性のそういう所作を言われるままにしてしまうような、若い人たちの心もとない足元だ。価値観や生き方がとめどもなく多様化する時代。何が正解で何が間違いなのかがはっきりしない。身の回りの“常識”ひとつにしても、考え方や行動の基準がつかめない。身勝手なことを言う大人たちの中で、実はどう歩いたらいいのかわからなくて途方に暮れている、そんな若い人たちの危うさも長瀬クンからは感じてしまう。拠り所のないあやふやな「平成の歩き方」…。


クッキングトイ

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