2008年03月21日号

高コレステロール血症の治療?


A子さんは58歳、定年を2年後に控えている。勤務先の健診で5、6年前から総コレステロール(TC)が徐々に上昇し、心配していた。今年の健診の結果報告書にはTC値が236…「要治療」と記載されていた。そのことを友人に話したところ、「コレステロールを下げる薬を飲むと皮膚がカサカサになる」と忠告されたそうだ。


   A子さんは、この相反する疑問を携えて当クリニックを受診したとのこと。先ず、喫煙歴も高血圧や糖尿病、肥満などのリスクも認められないA子さんに薬物治療を行うことの妥当性を考えてみた。善玉コレステロール(HDL)は95、中性脂肪(TG)は120で、TC・HDL・TG値から計算式で求めた悪玉コレステロール(LDL)は117となる。最近は特にLDLの値が注目され、LDLが120以下を維持するのがひとつの治療目標となっている。


   最近、「メタボ」という言葉をしばしば耳にする。メタボリック・シンドロームの略で高血圧症、高脂血症や糖尿病など生活習慣病の源になる状態。男性では臍の高さの腹囲が85センチ、女性では90センチ以上あって、高血圧や糖質・脂質代謝異常が同時に存在することが診断基準に記載されている。この中の脂質代謝に関しては、中性脂肪とHDLの値が問題(TGが150以上、HDLが40未満)とされ、TCの値は診断基準から除外されている。


   A子さんの場合、TCは検査基準値上限を超えるものの、その他の項目は基準に合致せず、メタボとは診断されない。A子さんの診察を終えて、私が判断した結論は「食事療法と運動療法を指導、半年に1回の受診、薬物療法は行わない」というものだった。脂質代謝を改善する薬には種々のものがあるが、服用すると「皮膚がカサカサになる」という薬剤は知られていない。


プラセンタ

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