2008年03月28日号

後期高齢者医療制度の本音?


散歩人の母親は昭和5年生まれだからもうすぐ78歳になる。働き尽くしの百姓人生でいろいろ体に具合悪いところも出てきたから、秋田の山奥から連れ出して病院に通わせることになった。筋肉リウマチなどで2つの病院に通院することになったのが本人は病院に通院するのをちょっと渋るのである。なぜかと聞いたら「あまり通ったら国に迷惑かけるから、ホジネして…」と言う。


   “ホジネ”というのは「申し訳ない・面目ない・恥ずかしい」を合わせたような微妙な言い回しの秋田弁。ずいぶん大仰な言い様なので驚いたのだが、実直だけの田舎者で世の中に遠慮しながら生きてきた母親は、本音で負い目を感じていたらしい。何か申し訳ない。我慢しないといけない…まるで社会のお荷物になってしまったかのような気がどこかにあったらしいのである。これには結構ショックだった。


   4月から「後期高齢者医療制度」がスタートするという。75歳以上の“後期高齢者”になると国民健康保険に入っている人も、子供の健康保険に入っている人もそれを抜けて、“後期高齢者”保険という新しい保険に入らなければならなくなる。地域によって異なるその保険料は全国平均で月6000円くらいといわれる。それが、年金から天引きされるシステムで、介護保険料と合わせれば相当の出費だ。75歳以上は滞納しても保険証を取り上げてはならないと決まっている国民健康保険と違って、この“後期”保険は1年間払えないでいると全額窓口負担になってしまう。


   この制度について厚労省の担当官が講演で「医療費が際限なく上がり続ける痛みを、後期高齢者が自分の感覚で感じ取っていただくことにした」(石川県内で開催のフォーラムで国民健康保険課長補佐/3月23日付しんぶん赤旗日曜版)という本音を語ったそうだ。「長生きされると迷惑だ」とでも言いたげな、年寄り切り捨ての残酷さがこの保険制度の裏側に透けて見えゾッとした。


   今を築き、われわれを生み、育ててくれた親の長生きを祝福もできないこの有り様はどうだろうか。この国は「敬老」という心も捨て去るのだろうか、と思う。人の道も踏み外せというのか。なぜか、日本という国がどんどん壊されていっているような気がしてしようがない散歩人の不安は、的外れだろうか…。


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