2008年04月04日号

春なのに…


春分の日を過ぎて、道内は21日~26日まで6日間連続で10度を超す陽気が続き、早いところではミズバショウも咲き始めた。こんなに暖かい天気が続くのは、気象台によると明治24年に3月27日~31日の5日間10度以上の日が続いて以来のことで、それを117年ぶりに更新したのだという。南から連日のように届く花便り。4月に入れば4日は二十四節気でいう「清明」…すべてが生き生きとして清清しく明るい気があふれている、そんな青春の季節。春はもう盛りを迎える。


   とはいえ、世情はそんな春の陽気には遠いうすら寒さに身を縮めている。規制緩和と称する失政や、建築確認申請手続きの大幅な遅延に見られるような、政治家や役人の浅はかな施政に端を発する「官製不況」が、地方を中心に多くの人々を苦しめ、将来展望のない生活に庶民を落とし込んでいる。国民にはとてもわからない政治の有り様。おそらく権益争いを根にする迷走を繰り返して、どうせそのツケも下々に回って来るのだろう。そんな無責任な行政が続くから、世の中は荒(すさ)み切って、殺伐とした事件が続けざまに起きている。


   茨城県土浦で起きた24歳の男が8人を手当たり次第に殺傷した通り魔事件。たまたま岡山駅のホーム前列で電車を待っていた何の関係もない男性を線路に突き落として殺した18歳の少年の事件。経営難を悲観して7人家族の一家を包丁で殺傷した東京小石川の製本会社社長の一家心中……ごく普通の人が人を殺し、ごく普通の人が被害に遭う。病んだ心が、出口を求めて暴発したような異様な有り様の犯罪が、次から次へと起きる。


   心も生活も…子供も年寄りも、じりじりと追い詰められて行く不安。正直さ、誠実さ、実直さがバカにされ裏切られ、努力しても報われず、希望も持てない…。理不尽がまかり通れば、世の中は“無法”と化してしまう。人の心が崩壊し、営々と築き上げて来た社会が崩壊する。その瀬戸際にあるという予感が、時に春の希望の日差しをさえぎってしまう。今、人々は明日の生活と命の行方におびえながら生きている。その現実を、政治家や官僚は我が事としてどこまでわかっているのだろうか。


   努力と誠実さが報われる世の中なら、少しくらい貧乏だっていいのだと思う。ただ、心から春を謳歌したい、花を楽しみたい…。


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