2008年04月04日号

《後期》高齢者???


「4月から病院での自己負担が2割になるって本当?」「何だか後期高齢者医療制度ってなものができたらしいよ」「でも、当面は自己負担が1割」「でもねぇ、75歳以上の年寄りにわざわざ後期って付けることないのに…」「まるで、末期とか終末期が次に待っているみたいで憤慨するね」「早く死ねってことなのかしら」などなど。これは待合室で耳にしたお年寄りたちの会話である。


   今年4月から後期高齢者医療制度が導入される。厚生労働省のホームページによると、制度の目的は、75歳以上の高齢者が複数の病気にかかり、長期の治療が必要なことが多いという特性を持つので、別立ての制度を設け、「安心できる終末期の医療を目指す」と書かれている。まさに終末期を前提とした制度なのである。


   「後期高齢者」という語は厚生労働省も使う公式的言葉だが、最初から違和感を覚えた。名指しされた75歳以上の人たちの憤慨は推して知るべしだ。元来、わが国の保険制度の目的は、国民皆保険制度といって、国民すべて同じ保険制度の下で、平等に医療を受けられる制度だった。しかし、ある時から老人保健法なる法律ができ、更に今回は資金的でも別立てとする後期高齢者医療制度…本来の国民皆保険制度の趣旨から完全に逸脱している。


   ここ数年「差別を増長する」という理由で従来使われてきた言葉を言い換え、「痴呆」は「認知症」に、「障害者」は「障がい者」と記載されるようになった。こうした言葉の言い換えで、物事が解決するとは思わないが、今回の後期高齢者医療制度の《後期》は、差別に繋がらないのだろうか。私のクリニックには、75歳を過ぎても現役で活躍している人たちが沢山いる。たった今、診察したAさんは、付近のバス停留所の除雪に毎日、精を出しているのだ。後期高齢者に《乾杯》!!


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