2008年04月25日号

ヘモグロビンが良ければ目は大丈夫?


白内障などで手術予定の患者さんについて、数年前から気になっていることがいくつかあります。その第一は、術前検査で初めて糖尿病と診断される患者さんが、ときどき目に付くことです。


   手術前には、今まで罹った病気の聞き取りを必ず行います。ほとんどは糖尿病があるか否かがこれで分かります。しかし、糖尿病を自覚せず、全く治療を受けていない患者さんがいるのです。本人の言い分としては、健康で医者にかかったことがない、数年前の糖尿病検査では正常だった、など理由は様々です。これらの患者さんに血液検査を行うと驚く程の高血糖を示し、尿にも多量の糖が検出されます。そうなると手術は延期になってしまいます。このように手術前検査でたまたま発見される「黙して語らぬ糖尿病」が多いのが大きな問題です。少なくとも年に1~2回は血液や尿の検査を受けたいものです。


   次に糖尿病で食事療法や薬物治療を受けている患者さんの問題です。糖尿病になると、定期的に血糖値(正常値=空腹時60~100mg/dl)とヘモグロビンエイワンシー(HbA1c、正常4・3~5・8%)の検査を行います。血糖値は測定時の状態、HbA1cは2ヶ月前から現在までの状態を示します。糖尿病の治療はHbA1cを6・5%以下に保つことを基準の一つとして行っています。しかし、この値が良ければ大丈夫でしょうか。眼科の立場に立つと、残念ながら「いいえ」です。糖尿病による網膜症がひとたび眼底に現れると、血糖のコントロールが上手くいっていても、網膜症がどんどん一人歩きします。失明につながる増殖性網膜症にまで発展していることも珍しくありません。先日も、視力は比較的良好なものの、眼底を見ると失明の一歩手前の増殖性網膜症がみられた患者さんが来院され、慌ててレーザー治療を行い事なきを得ました。


   糖尿病になったら、たとえHbA1cがよく保たれ視力が良好でも、目の検査を怠るのは危険なことです。


プラセンタ

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