2008年06月06日号

四丁目の夕陽!


『三丁目の夕日』は西岸良平の漫画、昭和30年代の東京下町の風情を描いた傑作だ。昭和22年に旭川の曙四丁目でで生まれた私にも懐かしい物語で愛読書の一つである。昭和30年といえば、私が小学校2年生。朝夕に聞く豆腐屋のトーフーというラッパの音、カチカチという紙芝居屋が拍子木を鳴らして子供たちを集める音、アイスキャンデーを自転車の荷台の保冷庫に積んでカランカランと鐘を鳴らしながら走る音。こうした音が過去を呼び覚まし、家族そろって眺めた夕陽が目に浮かぶ。私にとって「四丁目の夕陽」の世界。


   この漫画が『ALWAYS 三丁目の夕日』として映画化された。実体験と若干の落差はあるが、当時の日常生活を髣髴させる。その頃テレビなるものが巷に出現し、何故か床屋さんに備えられていて、力道山とブラッシーの戦い、大鵬と柏戸の戦いになると、床屋の主人も仕事はそっちのけ、皆がテレビの前で狂喜したものだ。


   昭和30年代半ばの12月、自宅に大きな荷物が届けられた。父が注文したテレビの組立キット…当時は高価だったテレビを自作しようと考えたらしい。父は、半田ゴテを駆使し、年末までに完成に漕ぎ着けた。だが、電源を入れたものの写らない。家族に紅白歌合戦を見せたいとの執念で、やっとブラウン管に映像が写ったのが31日の午後10時過ぎ…家族そろって大歓声。


   あれから50年近く経った今、ブラウン管は既に過去のものとなり、大型の液晶やプラズマ・ディスプレイ。でも、音だけの世界から眼で見ることのできる世界への飛躍、この変化を体験した感激は忘れられない。現在、私たちの周りには電化製品やあらゆる生活用品が溢れ、「何か欲しいのものは?」と尋ねられても即答できない。私たちは昭和30年代に想像も出来なかった豊かな社会に生きている。でも、あの時代に私たちが置き忘れてきてしまったものはないのか、考えてみる必要がありそうだ!


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