2008年08月01日号

人生の最終ステージは!


Aさんは101歳の女性、認知症対応のグループホームに入居している。日常生活の状態を見ていると、加齢に伴う運動機能減退や物事への固執はあるものの、認知機能については年齢に比して減退が軽度で、ホームでの社会生活を営む上での大きな障害はない。4日ほど発熱・解熱を繰り返し、喘鳴や酸素飽和度低下もあって救急車で某病院に搬入、小さな肺炎と胸水が認められ、血液検査でも強い炎症反応が認められたため入院となった。


   入院中に5秒間の心停止が認められ、主治医はペースメーカーの埋め込みも考慮したようだが、家族は拒否。肺炎は軽快したものの、経口摂取が十分にできない…中心静脈栄養や胃婁造設も提案されたが、家族は「高齢だから自然死を希望する」。これももっともなこと。医療機関にできることは皆無。こうした状況で主治医は困り果てた…看取りをお願いしたいとのことで、私に電話を入れてきた。適切な対応だと思う。


   この春に行われた診療報酬の改定で、「終末期における治療方針等などについて、医療関係職種が共同し、患者・家族と話し合い、書面でまとめて提供」した場合に算定できる項目が新設されたが、「医療の打ち切りに繋がる」との世論の批判で「凍結」となってしまった。終末期医療は、様々な問題をはらんでいる。日本人にとっての終末期…本人の希望よりも周囲の意向が尊重される場合が多いように思う。


   私は、100歳に近い患者さん数人から直接に「最後は先生に任せるから、延命治療はしないで欲しい」と委託されている。だが、本人や肉親、ごく親しい友人がこうした委託を納得していても、いよいよ「最後のステージ」を迎えたときに突然出現した親戚に「うちの爺さんのときは、鎖骨の所から管を入れて栄養補給をした」「婆さんには腹に穴をあけて胃に管を入れた」のに「あんたは何にもしないのか?」となじられることだって現実にあるのだ。


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