2008年11月14日号

日本人の名前がついた目の病気


10月に入り、サブプライムローンに端を発した世界同時株安の荒波を受け、日本にも暗い気持ちが漂っています。一方、うれしいニュースもありました。ノーベル物理学賞および化学賞を日本人の4人の先生が受賞されたのです。本当におめでとうございます。


   さて、眼科領域では病気の発見に貢献した功績を称え、その日本人の名前がつけられた病気がいくつかあります(日本の眼科79/2008年9月号)。今回は、これらの中で小口病とフォークト―小柳―原田病についてお話しします。


   ①小口病 非常に珍しい目の病気で、眼科医になっても一生この病気に出会うことなく仕事を終える医師のほうが、むしろ多い病気です。この病気は、先天性停止性夜盲、すなわち生まれつき暗いところではものがよく見えないのが特徴です。網膜の細胞には、明るいところで働き、色を見分けることを主な仕事とする錐体細胞と、暗いところで主に明暗とものの形を見分けることを仕事とする杆体細胞がありますが、この杆体細胞の機能が生まれつき上手く働かない、遺伝性の病気で特別な眼底症状を示します。


   ②フォークト―小柳―原田病 この病気は、身体の中にある皮膚や髪の毛など色素をもった細胞に対する自己免疫疾患です。この色素に対して自身の免疫細胞が攻撃を加え、炎症を起こすのです。黒い髪の毛は白髪となり、皮膚には白斑が出来てしまいます。さて、黒い瞳を持つ日本人の眼球には、たくさんの色素細胞が存在します。これが一斉攻撃を受けると激しい全眼球炎が起こります。急激な両眼の視力低下が起こり、視野全体もかすみます。炎症は数ヶ月後に治まりますが、網膜全体は炎症のため焼け野原の状態となり、「夕焼け眼底」と呼ばれています。今では、ステロイドという抗炎症剤により大事に至る前に治すことができます。


   スイスのフォークト先生が1906年、日本では小柳先生が1914年、原田先生が1922年に発見した病気です。


新米

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