2008年12月19日号

サンタ伝説


兄弟3人、飯台に並べられた3つの皿に、「でん六豆」が10粒程ずつのっていた。散歩人がまだ小さい頃のクリスマスイブ。「でん六豆」は山形のメーカーが作って人気のあった、うぐいす豆のような菓子だった。


   秋田の山間の米作農家で、生活は決して楽ではなかった。食料品は行商人と米交換した。町場の豆腐屋で豆腐や油揚げを買うのには大豆を持って行く。物々交換の名残りが、50年近く前のこの地方にはまだ生活に根差していた。米・野菜には困らないが、現金は秋の収穫を担保に農協の通帳から出さなければならなかった。不作になれば借金が増え、豊作なら借金が少し減る…現金にはいつも困っていた。高嶺の花のケーキの代わりに何とか買って来てくれたろう「でん六豆」だった。


   車も無い時代に、1里(約4km)も2里もある町場に山を下りて、乏しい財布から現金で用意した菓子だった。そうして親の子に対する慈(いつく)しみの思いは伝えられた。翌朝、起きると枕元にオモチャなどが置かれていた。大切な大切なサンタクロースのプレゼント。親の苦労など何も知らない子は無邪気にはしゃいだ。


   宗教というものにはまるで関係なく、日本という国にはかけがえのないサンタが昔も今も確かにいるのだろう。そして1年に1度クリスマスの夜、ひそやかに、そのサンタ伝説は親から子へと伝えられてゆく…おそらく、いつまでも…。


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