2009年02月06日号

老後の趣味を見据える


私の診察室を訪れる人の7割以上は、65歳を超えた高齢者?の患者さんである。ほとんどの人が高血圧症や心臓疾患、糖尿病、高脂血症や高尿酸血症など所謂生活習慣病を抱えていて、私は「趣味を持たないとダメです」と常々話している。女性陣の多くは、手芸や書道、謡曲や合唱、水泳やパークゴルフなど様々な趣味の世界で楽しんでいるが、かたや男性陣となると、この点、はなはだ心もとない。「男は難しい」のだ。


   私が嘱託医を務める介護施設でも、男性の利用者が楽しんでもらえる方策を考え出すのは至難の技と聞いている。私も一昨年に還暦を迎え、老後の生活の生き甲斐を見つける必要を実感するようになった。30歳代のころ、母の影響で陶芸や彫刻を手掛けたことがあり、このあたりが老後の趣味と考えていた。だが、陶芸は今のマンション住まいでは難しい…あるとき、地蔵や仏像彫刻ならばと思い立った。


   各地の名刹をめぐって様々な仏様にお会いしたが、奈良秋篠寺の伎芸天像の妖艶な姿に遭遇して以来、このような姿や表情を再現…最初から無理な話なのだが…してみたかった。伎芸天像の頭部は天平時代の脱活乾漆像、首から下は鎌倉時代の寄木作りなのだが、何らの不自然さもなく両者を合体させた仏師の技量の素晴らしさは感嘆ものだ。


   30歳のとき、友人である建築会社の社長に頼まれ、鎌倉彫りをしていた母の見よう見まねで龍を彫ったことがある。それは今でもあるお寺のお堂に掲げられている。だが、そのときは木の恐ろしさを知らなかった。いま、インターネットで注文した彫刻刀が届き、必要な器材を購入し、木彫の資材が徐々に私の手元に揃いつつある。地蔵や仏像を彫るための木材を手にして年輪を見ると、その木が生きてきた年月の重厚さが伝わってきて、木の恐ろしさを知った。「果たして、この樹木の中から仏様の姿を浮かび上がらせることができるのか」との思いが!


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